
「中学で不登校になって、今32歳です」
お話ししてくれたのは、愛知県在住のきのっちさん。
中学1年生の冬から卒業するまで不登校になった理由や高校に行こうと決めた思い、
社会人になって3回転職した経緯を話してくれました。
全10回でお届けします。
画像:きのっちさん撮影
#1
「怖くて学校に行けなかった」
中学不登校になるまで
取材を受けていただいて、
ありがとうございます。
きのっちさんのインスタを見て
一方的に知っていました。
『大空ナビ』の立ち上げを決めた時、
「1人目はきのっちさんだ」って思って。
すごくうれしい。
ありがとうございます。
こちらこそです。
唯一あった共通点が、
不登校事例集『雲の上はいつも青空』で、
お互い取材されていたことでした。
なので、びーんずねっとの
金子さんにお願いして、
この場が叶いました。
私もうれしいです。
よろしくお願いします。
ぜひぜひ。
なんでも聞いてください。
ー
不登校になったきっかけはなんですか?
その、「行かない」って
自分で決めた時のことを教えてください。
そうですね。
行き渋りとは、また違うと思うんですけど、
元々、花粉症とか
季節の変わり目で
風邪を引きやすかったんですよね。
はい。
だから不登校になる前から、
適度に休んでいる方でした。
そこで息抜きが
できていたのかもしれないですけど。
ただ不登校になった時は、
3日間学校をお休みしてしまって。
初日は本当に熱が出て、
2日目はまだ少しだるいかなくらいで、
3日目になったら、
「2日間休んで行きづらくなっちゃったし、
まだ体がだるいかも」みたいな。
3日目も休んだんですけど、
それで学校に行くのが
ちょっと怖くなっちゃったというか。
その、
「なんであいつ、こんなに休んでるんだろう」
とか。
絶対思ってるわけじゃないですか、
深くは考えてなくても。
で、学校に行ったら「大丈夫?」とか
「なにズル休みしてたの?」みたいに
絶対言われるだろうなと思うと、
注目浴びちゃうのが嫌だなぁと思ってしまって。
そしたら「行きたくないな」って、4日目で。
気付いたらどんどん行けなくなった、
っていうのが、不登校のきっかけです。
ふんふん。
あの時期の僕は、思春期で。
人の目が余計に気になったりとか、
人と目も合わせづらかったりして。
だから、
「長く休んだら絶対注目浴びる、
もう行きたくない」
っていう気持ちになって
休んでしまった感じです。
じゃあ、学校に行かなくなる前から、
教室の中でも
「目立たないように努める」
みたいな生活をしていたんですか?
僕は、中学1年の冬に
不登校になったんですが、
思春期に入るまでの小学生の頃は、
クラスで友達が一番多いくらい
社交的だったんです。
えー!意外です!
でも思春期に入って、
「普通ってなんだろう?」とか、
「友だちってなんだろう?僕にとって
本当の友だちっているんだろうか?」
って疑心暗鬼になっていって。
すると、人目がもっと気になってきて。
友だちの言葉ひとつひとつに
「本当に思って言ってくれてるのかな」とか、
だんだん気になっていった感じでした。
だから、えっと、
小学校までは社交的でしたが
中学生の思春期に入ってからは、
「どうしよう」っていう気持ちが強くて、
昔の友だちはいるけど、
新しい友だちをつくるのは
苦手だった感じですね。
ふんふん。
小学校の頃は、
なにも疑問に思ってなかったわけですよね?
友だちとわいわい話すことが。
でも、「なんで?」って。
「普通ってなんだろう?」って
思いはじめる前に、
なにか問題というか、
違和感があったんでしょうか?
例えば、
小学生になかったヒエラルキーが、
中学に入ってたら急に「なんだこれ」みたいな?
あー。
なんかこう、
「普通ってなんだろう」って
考えている時に思い浮かぶ光景というか、
印象的なものはあったりしますか?
そうですね。
あの、僕は大人になれば、
完璧に慣れると思ってたんですよ。
ええ!
小学生の時は、大人になれば
「仕事に就いて、普通の生活をして」っていう。
漠然としたイメージがあったんですけど、
中学生に入って、絶対的なものじゃないんだ
っていうことに気づいて。
人はいつか死ぬし。
なんだろう・・・
当たり前だと思ってたことが当たり前じゃない、
っていうことに気づいてしまってから、
だんだんそこを深掘りしてしまって。
で、「本当に友だちなのかな?」とか、
「僕はこの生き方でいいのかな?
本当の僕ってなんだろう?」
とかっていうのを、
ずっと疑う様になっていきました。
おもしろいです。
その「完璧になれる」っていうイメージは、
親御さんの影響ですか?
そういう風に
教えられたわけではないんですけど、
僕の父は割とまぁ、
エリートな仕事をされていたので。
あの、「完璧」っていう表現が
あっているのかわからないですけど、
小さな頃の僕には、すごく、
ちゃんとしたお父さん。
お母さんも、普通に主婦やっていて、
まぁちゃんとしてる。
言い方はあれですけど、僕からみたら、
悩みもなさそうに、完璧な感じに見えてました。
だから中学生になって、
色々悩むことがあるんですけど、
「自分で答えを見つけていかなきゃいけない。
自分で決断しなきゃいけない。」
って思ってました。
父と母から、
「完璧」っていう正解を
自分がつくってしまっていたのかな?
っていうのはありますね。
うんうん。
ありがとうございます。
「行きたいけど、今日も行けないなぁ」
っていう、葛藤はありましたか?
「休む」って決めて日々過ごしていたのか、
「本当はいきたいのに、今日はやめとこう」
って感じだったのか。
「休みたい」っていうより思春期だから、
「注目浴びたくない」とか
「変なことを思われてるんじゃないか」
っていうところで、怖くて行けなかったです。
行けたら友だちと普通にを話せるし、
結局行ってしまえば、
軽く「大丈夫?」って
聞かれるだけで終わりなんです。
そのあと普通の生活ができるわけで。
うんうん。
僕は普通の生活がしたいので、
行きたかったです。
でも、それよりも「怖い」っていう。
「もし、いじめられたらどうしよう」
「変なこと言われたらどうしよう」とか、
「友だちが全員敵になってたらどうしよう」とか
勝手に想像して、
行けなくなってた感じです。
なるほど。
それは、中学の終わりまで続いたんですか?
まず、中1の年末辺りから3月末まで行けなくて。
中2の1学期は行けました。
でも、夏休み明けからまた行けなくなって。
中3はずっと行けませんでした。
高校は通信制なんですけど、
週5日普通に通う形の学校で。
不登校の子を
受け入れている高校に進学しました。
じゃあ、「休む」ってことは、
自分の中にある不安も、休む期間と比例して
どんどん膨れ上がっていく感じでしょうか?
そうです。
中2の新学期から行き始めたのは、
人間関係が軽くリセットされたことが
きっかけですか?
それも要素としてあると思うんですけど、
その、
「人目が気になる」理由があって。
僕、わりとくせ毛なんですよ。
後ろの髪に癖があったり、
前髪にも癖があったりとかして。
それって、自分の中で違和感なんですよね。
うんうん。
で、それが「見られてるんじゃないか」
と思ってしまって。
それで、中2にあがる前に、
ストパーかけたんですよ、美容院に行って。
そしたら僕は
「完璧になったぞ」ってなって(笑)
かわいい!(笑)
「僕はもうすごいんだぞ」
って思って(笑)
それで中2の新学期から、
行けるようになりました。
その気持ち、めっちゃ分かります。
私もくせ毛なんですよ。
ストパーってお金かかるじゃないですか?
親に必死で、
ストパーが自分にとってどれだけ
大切なことなのか訴えてました(笑)
わかります(笑)
今となっては、
「なんであんなに悩んでたんだろう」
って思うんですけどね。
本当にそうですよね。
中学生なんでバイトできるわけでもないし、
まじで、親にどれだけ
融資してもらうかに掛かっちゃう(笑)
そうなんです!
きのっちさんと、
くせ毛の話ができてうれしいです(笑)
それで、「自分に自信が持てた」というか?
そうですね。
全然根拠はないんですけど、
自信がもてました。
新学期から、周りを気にせず通い出すものの、
2学期から行けなくなった理由って
なんだったんでしょうか?
そうですね。
中1の不登校の時は、人目が一番の理由でした。
なので、見た目が変われば改善できたんですが、
通ってみてわかったのは、
やっぱり3ヶ月も休んでいると、
勉強が追いつけなくなってしまって。
ああー。

