
「中学で不登校になって、今32歳です」
お話ししてくれたのは、愛知県在住のきのっちさん。
中学1年生の冬から卒業するまで不登校になった理由や高校に行こうと決めた思い、
社会人になって3回転職した経緯を話してくれました。
全10回でお届けします。
画像:きのっちさん撮影
#5
「仕事だからやらなきゃ」
入社一年目で経験したこと
初めて配属された店舗は、
どんなお店でしたか?
池袋にある店舗でした。
都内の中でも小さな方です。
新卒といっても、
学生の時にバイトしてたから
そんなにギャップはなかった感じですか?
あー。
それでいうと、ひとつあります。
お客さんの入り具合、来店する数ですね。
今までバイトしていた岐阜に比べると、
東京はそれの10 倍ぐらいすごい。
バイト時代は「自分結構できてるな」
って思ってましたけど、
全然歯が立たなかった。
僕は社員なのに、
アルバイトの子から教えてもらったり、
それでも失敗を繰り返してしまって。
だから落ち込むというか、
メンタルはかなりやられてました。
なるほど。
初めてレジでアルバイトした時と
逆の状況ですね。
自分の遅いところとか、
できないところが際立ってしまう。
はい。
メンタルやられた時っていうのは、
なんていうんでしょう。
「学校に行きたいけど行けない」の
悩みと比べて、またちょっと違うというか。
「どうしよう」って考える時間もない、
目の前に突きつけられてるわけですよね(笑)
はい(笑)
「僕は遅い!」っていう
事実を突きつけられた中で、
どう、あきらめずに頑張れたんですか?
うーん・・・なんでしょうね。
スピードは遅かったんですが、
本社からの評価は良かったんですよ。
ほうほう。
その頃の僕は、
人目が気になっていたことが
むしろ取り柄になっていて。
良い評価を取るようなことが、
できてました(笑)
何それ!おもしろい!(笑)
なので、入社して3ヶ月経った時点で、
東京の中でもエース級の店舗に
栄転させてもらえることになりました。
自分から言ったわけではないんですが、
上司からの提案があって。
なので最初、池袋のお店にいた3ヶ月は、
「もうダメかも」って苦しかったんですけど、
次の店舗に移ることになって。
そこから気持ちを
持ち直したかなっていう感じです。
すごいです。
新人の頃って、上司に
媚びを売るとかじゃなくて、
「この人が喜ぶことをしてあげよう、
自分ができることをしよう」
っていう素直な姿勢が
本当に大事だなって聞いてて思いました。
栄転となったら、
もっと忙しい店舗に移るのかな?
と思っちゃうんですけど、
次はどんな店舗だったんですか?
そうですね。
まず、売上の規模が大きくなりました。
前の店舗の3倍くらい。
なので・・・
1日確か1000人くらいの
お客様が来店する店舗です。
おお!聞くだけで大変そう(笑)
素人目にみていると、
カフェって、アルバイトも社員さんも
日々やっている業務は同じなのかな?
って思ってしまいます。
ホール回ったり、ドリンク用意したり。
栄転って、
どういうポジションになるんですか?
僕は副店長として入りました。
ほぉー!かなり栄転ですね。
入社3ヶ月で副店長。
いや、本当に。
ありがたいです。
副店長として入るってことは、
店長と他に社員さんがいるって感じ?
えっと、社員は
店長と副店長の僕だけなんです。
あとは全員アルバイト。
そうか!
副店長として大変だったことはありますか?
前の店舗で、
ようやく成長できたかなと思った時に、
その3倍のお店に移ったので(笑)
やっぱりスピードが・・・追いつかない。
みんな本当にすごいなって。
今でも尊敬するくらい。
だから正直、バイトの人から
「この社員さんは使えない」みたいに
思われてた部分もあるとは思います。
そうか・・・
「きっとこう思われてるんだろうな」
って、察してしまう。
はい。
きのっちさんは、学生の頃から
そういう察しの良さはあったと思うんけど、
仕事において、
その、「気づいてしまう」ことが
自分をさらに追い込むことにはならなかった?
そうですね。
考えてしまうんですけど、
それよりも
「もう働くしかない」っていう。
うん。
だから「とりあえず頑張っていく」みたいな。
えっと・・・気持ちとしては、
「どうしよう」っていう不安もあります。
でも、それと同じくらい
「仕事だからやらなきゃいけない」
があったから、
考えてる暇がなかったです。
あとは、同期の支えがすごいありました。
あぁ、いいですね。
仕事が終わったあと、
同期で集まって飲みに行ったりとか。
人に恵まれてた部分はありましたね。
そうか。
職場が別々だとしても、
東京ってなんかギュッとしてるから
集まりやすい?(笑)
そうですね。
あとは飲食の会社なので、
ちょっと体育会系な感じというか。
声をかけたら割と集まる方だったと思います。
なるほど。
その栄転した店舗で、
がむしゃらに頑張る期間はどれぐらい?
うーん、半年ぐらいだったかな?
あ、10ヶ月目の時
店長試験に合格しました。
おぉ!
なので別の小さい店舗に異動して、
そこで店長になりました。
すごい!
それは前回と同じような喜び?
うーん。
そうですね、喜びはありました。
でも、不安もありました。
社員が店長の僕しかいないんですよ。
店の運営が、僕の判断で
全て決まってしまうんです。
そうか。
店長として異動してみて、
今まで「みんな速いな」
と思っていた悩みは変わりましたか?
店長で入った3店舗目のお店は、
前の店の忙しさに比べたら3分の1なんです。
入社して最初に入った1店舗目と
同じくらいの規模で。
だから、2店舗目で叩き上げられたおかげで、
まぁちゃんと使える人間になれてて(笑)
そういうところからスタートできたので、
気持ちはだいぶ楽でした。
自分がバイトの人たちに指導していても、
ちゃんと聞いてもらえるような環境に
なっていましたね。
すごい。
店長になってから、
手応えみたいなものができた感じですか?
そうですね。
ちゃんと認められてる
っていう手応えはすごい感じてました。
それ、楽しいですね。おしごと。
大変な部分はいっぱいあったんですけど、
楽しかったです。


