
「生まれは九州で、21歳から東京に住んでいます。」
お話ししてくれたのは美空さん(40)。
小学3年生で学校が怖くなった理由や、7年間の不登校でつながり続けたお友達のこと。
15歳で社会人になった経緯や仕事のやりがい・大変さについて話してくれました。
全10回でお届けします。
画像:本人撮影
【もくじ】
#1「また叩かれるんだろうな」学校が怖くなったキッカケ
#2「車の止まる音でパニック」昼夜逆転の不登校生活
#3「自分の家より長く居た」普通に接してくれた友達たち
#4「高校に通っているイメージが全く描けない」中卒で働くと決めた理由
#5「みんなで精一杯やってる感じが楽しくて」15歳、社会人一年目のこと
#6「色んなことがあった」ぶつかった壁と、見守ってくれた大人たち
#7「キラキラしたところ行きたい」19歳、声優学校の入学と退学
#8「寮付きの仕事が見つかって」21歳、夢を追いかけて上京
#9「やっぱり不登校が原因」怖がりを克服したくてみつけた居場所
#10「昔できなかったことをたくさんやってる」今の仕事とやりたいこと
#2
「車の止まる音でパニック」
昼夜逆転の不登校生活
朝、美空さんが
布団から出ないようになって、
親御さんは
すんなり受け入れてくれましたか?
いや!
不登校あるあるだと思いますが。
最初は布団をはがされて、
無理やり学校に押し出される、
みたいなことが多かったです。
ふんふん。
最初はしぶしぶ行ってたんですけど、
途中から、断固として行かないよう
布団の防御力がだんだん上がっていって(笑)
(笑)
布団から出なくなったんですけど、
次は、近所の友達が呼びに
来てくれるようになってしまって。
おお。
お母さんが頼んだのか、
友達が自発的に来たのか、
分からないんですけど、
「みっちゃん学校行こう」って。
でも、それも頑なに拒否し続けて(笑)
とにかく布団から出ない、
起き上がらない、をずっと続けていたら
どこかで諦めてくれました。
友達が毎朝来ていた期間って、
どれくらいですか?
えっと、4年生に上がっても
来てた記憶があるので。
半年から1年くらいは、
毎朝家に来ていたんじゃないかと思います。
ええ!
よくくじけなかったですね。
友達からの「学校行こう」って、
私は結構きついなと思っていて。
自分を守るために、
行かないことを貫くんだけど、
でも、ちょっと心が痛くないですか?
そうですね。
誘われるのも心が痛いですけど、
実際、友達に布団の上に跨られて、
なんか、起こそうとビシビシ叩かれたりして。
物理的にも痛かったですね。(笑)
それはきつい!(笑)
でも、
当時は自分が悪いと思ってたんで
「やめて!」とは言えなかったです。
学校に行ってる周りの子が
正しいことをしていて、
悪いのは私だって。
でも、学校がとにかく怖くて、
恐怖ばかりを感じていました。
うん。
今振り返ると、
自分を守るための行動だった
って思うんですけど、
あの頃はそんな風に考える余裕は
全くなかったですね。
子どもの頃の恐怖って、
体はものすごく覚えてますもんね。
朝の布団バトルがなくなってからは、
どういう生活をしてたんですか?
私、押し入れ生活をしてたんですよ。
ドラえもんみたいな。
言っちゃいけないけど、
ちょっと楽しそう(笑)
そうですね(笑)
閉じ込められてたわけじゃなく、
自分から入ってて。
秘密基地みたいな感じで、
楽しくて押入れに
住み着くようになったんですよね。
暗くて窓もないので、ある意味安全でした。
そこから、
どんどん生活リズムがズレて、
昼夜逆転していきました。
うんうん。
夜中に好きな事をやって、
朝昼は寝てる感じでした。
朝は起きてしまうと、
親に「今日は行くかも?」と
期待させてしまうかもと思っていたので、
起きないように過ごしていました。
あと、昼間はやっぱり、
家に先生が家庭訪問に来たり、
親戚が来る度に怒られて。
そういう事に恐怖を感じてたので、
外の音が聞こえにくい押入れは、
ほんの少しですが、私を安心させてくれる空間でした。
あと、ものすごい田舎なので、
朝通学してる子供の声とか、
足音が聞こえると、本当にもう・・・。
それを聞かないためにも、
朝は寝ていないと自分が保てない感じでした。
その生活は、
不登校だった小3から中3まで
7年間ずっとですか?
何で聞いたかっていうと、
中学生の年齢になると、考え方とか、
不登校のスタンスも変わりそうな気がして。
そうですね。
7年もあったので、
ずっと引きこもってるって
わけではなかったです。
あと、いじめが原因というわけでもなかったので、
友達と遊んだりはしてたんですよ。
へぇー!
小学生の頃は、
幼なじみの子が学校から帰ってきてから、
その子の家に遊びに行って、
一緒にゲームをしたりしてました。
今思えば、
とにかく”学校”と感じるものからは、
逃げてたっていう感じですね。
その生活をしていて、
美空さんの心境って
どんな感じだったんですか?
友達といると楽しめてるのか、
ずっと不安がつきまとってるのか。
何だろう・・・
将来への不安は全くなかったです。
考える余裕がなかったので。
はい。
その日、その日が、精一杯で。
夜中は好きなことをやってましたけど、
土台には恐怖がずっとある、みたいな。
それが年中、365日24時間あって。
本当に熟睡している時以外は、
ずっと「学校に連れていかれる」
っていう恐怖がありました。
やっぱり、
叩かれた痛みが根付いてたので、
車の止まる音とか、足音が近づいてくると
先生がきたと思ってパニックになるし。
学校に関することは、全部が恐怖でした。
その恐怖心は、
中学生になってもありましたか?


