
「姉がうらやましくて行かなかったわけじゃない」
弟のユート(30)に、生まれて初めて当時のことを聞きました。
小学1年生から4年生まで不登校だった理由や、高校で経験した部活の厳しさ、
転職を繰り返す中でみつけた、自分の"ちょうどいい仕事"について話してくれました。
全9回でお届けします。
画像:本人撮影
#1
「学校に通わないことが普通」
小学不登校がみてた世界
今から色々聞くけどさ、
私(姉)が知ってることでも、
イチから言葉にして言ってほしくて。
オッケー?
了解。
そしたら、いこか。
ー
不登校になったのはいつ頃から?
いまいち覚えてなくて・・・
たぶん、小1から小4までじゃないかな?
小4の途中から行きだしたから。
じゃあ、
行かなくなった理由って覚えてる?
それもあんまり覚えてない・・・
気づいた時には行ってなかったと思う。
そんなもん?
不登校になるきっかけって、
ちょっとしたことでも
自覚のある人が多い印象があって。
うん。
「行かない」って決めた記憶がないだけ?
そもそも小学校に入学してから、
学校に通ってた記憶もない感じ?
んー、たぶん。
いや、分かんない。
子どもの頃だし、正直全然覚えてない。
うちの場合は、
2個上の姉がすでに小学校不登校だったから、
俺が入学するタイミングで、
学校に通わないことが普通というか。
なるほど!
たぶんよ。
姉がたまに学校行く時に、
一緒に連れて行ってもらうとか。
そういうノリで行ってたくらい。
じゃあ、
小学校に入学式してから、
他の子と一緒に通ってた記憶はない?
ないっていうか、
「ほぼ覚えてない」が正確な答えかな。
うんうん。
通ってた保育園と、
小学校が隣同士にあって。
どっちも公立だったし、
入学してもほぼ顔見知りなわけで。
”通う場所が隣の建物に変わった”
くらいにしか思ってなかったんだと思う。
そっか。
小学校に上がっても、
変わり映えしないというか。
「あいつらがいるんやろうな」みたいな?
そうそう。
良いも悪いもなく「イメージ通り」って感じ。
なるほど。
じゃあ「小学校=新生活!」っていう
ワクワク感とか、
「お兄さんになるぞ」みたいな感覚も
そこまでなかった?
そう。
そっか、だから
「姉が学校通ってないし自分も・・・」
って感じ?
んー、俺、
当時はそういうふうに思ってないと思う。
「なんで姉だけが通わなくて良くて、
俺は行かないとダメなん?」とか。
そういう思考ではなかった。
別に、姉がうらやましくて
行かなかったわけじゃない。
うんうん。そっか。
学校に行ってない時はどう過ごしてた?
姉がフリースクール通ってたから、
俺もそこに行ってた。
正直、フリースクールで遊んだ記憶
ぐらいしかない、小学低学年は。
で、俺が小2の途中で、
姉が学校に行き始めて。
そのタイミングで自分も
フリースクールに通わなくなったと思う。
学校に行かないまま、
フリースクールも行かなくなったってこと?
そうそう。
その頃は毎日どう過ごしてた?
えーっと、
母が祖父母のやってるお店で働いてたから、
そこについていって、祖父と遊んだり。
あと、父が喫茶店はじめてたから、
そこに昼飯食べに行ったりしてたかな。
自転車で10分くらいだったから。
基本は家にいて、
時々そうやって外に出てたと思う。
うんうん。
まぁ、マイペースに過ごしてたって感じ?
たぶん。
小4からの記憶はめっちゃあるんだけど、
その前って、こんな感じ。
じゃあユートは、
姉の不登校と関係ないところで、
入学と同時に「学校に行かない」って決めて。
小4になって、自分から通うことを選んだ?
うん。
別に、姉に引っ張られて
行かなかったわけじゃない。
そこがおもしろいんよね。
学校行ってない姉に
影響されたわけじゃないのに、
なんで入学早々、
「行かない」を選んだんだろう?
例えば、6・7歳だと、
好きな友だちに会う場所が、
学校だったりするじゃんか。
友だちと遊べるんだったら、
誰かに「行くな」って言われても
行きたいぐらい。
うん。
けど、ユートは小1で、
「友だちといるよりも家にいるほうがいい」
を取ったんよね。
うーん?
例えばよ、
「通学で歩くのがいやだ」とか、
「ずっと座っていられない」とか、
単純なことでも、
行きたくなかった理由があるんじゃない?
そう聞いて、どう?
なんか思い当たる?
うーん・・・
まぁ、むかし過ぎて
覚えてないかもしれないけど。
んー・・・いや。
やっぱ、
体がデカいのに、
中身が追いついてなかったのが、
一番の要因だと思うね。


